「意味がわからないからつまらなかった」
「なんだかわからないから駄作」
と、理解できないから観るだけ時間の無駄という意見が散見されます。
本当に駄作としか言いようがない映画がないとは言えないし、きちんとテーマがあったとしても観客に理解できるように描けないのは、製作者側の力不足という場合も当然あるでしょう。
だけど観る側の知識を問われることも結構あって、この『哭声/コクソン』はまさにそんな映画です。
哭声/コクソン
監督 ナ・ホンジン
2017年/韓国
75点
一見サスペンスのようでオカルトのようでゾンビホラーのようで訳がわからないけど、はっきりしたテーマがある。
それは冒頭で提示されるので頭のどこかに置きつつ観てみたけど、なんせそのテーマに関して大した知識がないので、
現れたアイテムや意味深なセリフが一体何の暗示なのか検討がつかず、
結局何だったの?とよくわからないまま終わってしまったのは事実です。
あとでネタばれした解説レビューを読んでみると、なるほど〜となんとなく腑に落ちました。
それでも書いている人によって解釈は違い、色んな人のサイトを読み比べるのもまた面白い。
何も考えず娯楽として楽しむ映画もあるし、
知識や理解力や想像力を駆使して味わう映画もあるし、
人生経験を重ねたからこそ心に響く映画もある。
簡単に「わからないから観るだけ無駄」とは言いたくない。
國村 隼さんがキーパーソンを演じていますが、演技が凄いのもさることながら、
韓国人の中で一人日本人がいる意味、描かれ方、も様々な解釈ができます。
色んな意味で、試される映画でした。
スポンサーリンク